備忘録の備忘録

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ブックログ:モダンタイムス 2017/06/24

モダンタイムス(伊坂幸太郎)を読んで

 

国家はその存続そのものが目的で、国民のために存在しているわけではない。

 

私たちは日々自らの意思を持ち、自らの判断に則って生きているように見えるが、実は資本主義、国家という目に見えない巨大なシステムに規定され、その思惑通りに動く駒に過ぎないとも言える。

 

何かを目的として作られたシステムは、いつしか当初の目的を忘れ去り、そのシステムそのものの持続を目的として動くようになるのか。

 

システムから逃れようとすることそのものがシステムに組み込まれたものにすぎず、無限ループが続いていくのか。

 

巨大なシステムの中で目的を達するための事柄は細分化され、人は仕事をする。

その過程で「良心」は抜け落ちていく。

 

 

著者の意図の3割が伝われば上出来だ。

物語の中に出てくる作家はそう言う。

人は与えられた物語を真実として信じ込む。

額面通りに物事を受け取る。

 

だけど、額面通りに受け取った「真実」が本当に真実かなんて保証はない。

 

そして小説家は、人を駆り立てることなんてできない、

じわじわとその人の身に染み込んでいくようなことはできるかもしれないが、

という趣旨のことも書かれていた。

 

システムから脱する方法は目の前の何かに自分自身を捧げること。

大きな構造の中で、目の前の何かを選ぶことくらいはできる。

前に話した哲学科卒の大人がそう言っていた。

フランス哲学的には、と。